「不変の真理には現在形を使う」の意味がわからなかった
同じ事で悩んでいた人はまずいないと思うのですが.
中学の時か高校の時か忘れましたが,時制の現在形を習った際に,「不変の真理には現在形を使う」という話が出てきました.
該当箇所を,「総合英語Forest, 5th edition」から引用します.
The earth goes around the sun.
地球は太陽の周りを回る.
現在形は,「今」を中心にして「過去」や「未来」にも成り立つ状態や動作を表すので,過去・現在・未来を通じて変化のない事実を表すことができる.
当時も同じような例文が使われていたと思います.そこで疑問に思ったのは,地球が太陽の周りを回っていることが「不変の真理」とは思われていなかったとき,つまり天動説の頃は,現在形を使ってはダメだったのか? ということです.
そもそも「不変の真理」とは一体何なのか? そんなものがこの世に存在するのか?
つい最近も,物体は光の速度を超えられないという不変の真理らしきものに反証が出されたことがありましたが(結局実験のミスだったみたいですが),この場合,「物体は光の速度を超えられない」には現在形を使って良いのでしょうか?
また,「仮定法」もそうです.「事実とは異なる」場合には仮定法を使う,という説明がよくされますが,その「事実」とは一体何なのか?
学生の頃は,本当にこんなことで悩んでいました.もっとも,そういった疑問は脇に置いておいても英語の試験で点を取ることはできたので,さほど問題にはなりませんでしたが.
今なら,当時の自分に筋道立った明快な説明をしてあげられます.
つまり,「不変の真理」とか「事実」とか言うものは,話し手(書き手)がそう思っているか,そう表現したがっていることを表すのだ,と.
これが理解できたときには,特に仮定法(というか要するに Modality )がスッと頭に入るようになりました.なぜそういった説明が学生時代の教科書でなされていなかったのか不思議ですが,私以外の人にとっては自明のことなのでしょう.