私の英語学習法まとめ


今回は,私が現在どのように英語を学習しているかを,まとめてみます.


これは,たとえば「外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)」や,「英語上達完全マップ」,「國弘流英語の話しかた」に記されているような英語学習法を,私なりに「続けられるように」かつ「成果が出るように」アレンジしたものです.


あくまで「私の」方法です.この方法が万人にとって効果がある,などとは露ほども思っていません.このように学習すれば誰でも英語ができるようになります,などと言うつもりは毛頭ありません.


ただ,一つ言いたいことがあるとすれば,それは,多くの人が英語学習の初歩レベルで苦労している理由は,英語そのものへの適性や才能といったものよりも,「自分なりの学習法を確立する」という習慣が,身についていないことが大きいのではないか,ということです.


私の学習法が,それを克服するヒントになれば,と思います.

私の英語学習法

1. メインタスクとサブタスク


日々の学習は,「メインタスク」と「サブタスク」に分かれます.


メインタスクは,負荷の大きいメインのタスクで,机に向かって行います.

一方サブタスクは,通勤電車の中や,暇な時間に自宅のソファに座って,といったカタチで,楽しみながら行います.


以下,まずは,メインタスクについて説明します.

2. メインタスク
2-1. メインタスクの目的

メインタスクは,「メイン」というだけに,このタスクによって英語力を向上させることを目的にしています.


従って,自分が身につけるべき英語力とはそもそもどのようなもので,そのために自分はどれぐらいのコストをかけられるか,といった検討が必要になります.


ただ,私は,自分が英語学習に使える時間を見積もることはしましたが,どのような英語力を身につけたいか,と言う点に関してはあまり真剣に考えずに英語学習を始めました.なので,まずは「とりあえずTOEICの点取っとくか」でも構わないと思っています.

2-2. メインタスクを行う時間と場所

メインタスクは1日30分〜1時間程度で,なるべく毎日行います.といっても毎日は不可能なのですが,できる範囲で頻度を高くします.


メインタスクは負荷が大きいので,集中できる場所で机に向かって行うのが望ましいです.私は,通勤途中のカフェを利用しています.(具体的にいうとスタバです.)

2-3. メインタスクに利用する教材

メインタスクの教材には,「音声とスクリプトの両方が付いていること」が必要です.英文だけ,音声だけ,というのはダメです.さらに,日本語訳文や詳細な解説が付いているものが望ましいです.


また,レベルは簡単すぎず,難しすぎないものを選びます.辞書を全く引かずにすらすらと読めてしまうモノは簡単すぎますが,一読して何が書いてあるんだかさっぱり分からない,あるいは一文に3つも4つも知らない単語が出てきて意味が推測できないようでは,メインタスクの教材として使うには難しすぎます.

また,興味を持てる内容であれば言うことはないですが,その条件を満たすのはなかなか難しいので,「英語の学習教材」なんだという割り切りも必要です.


ある程度時間をかけて利用していくため,多少値段が張っても気にしません.


今まで私が利用した教材は,DUO 3.0速読速聴・英単語 Advanced 1000 ver.3究極の英語学習法K/H System (入門編)TOEICの問題集,などです.

2-4. メインタスクの実行


まずはじめに,音声を聞きます(「リスニング」).何度か聞いてだいたいの内容を把握したら,「精読」に入ります.精読は,内容を完全に把握することを目的とします.辞書(和英,英英)をフルに使い,必要ならばネットで実用例なども検索します.また読解には文法知識が必要になるので,文法参考書も読んでおきます.


次に,精読によって完全に内容を把握した英文に対して,「ディクテーション」(音声を聞いて英文を一字一句書き下す),「音読」,「シャドウィング」を行います.

同じ英文に対して複数回数をこなすことが肝要で,この作業を通して英文を「自分のもの」にします.また,英文に出てきた語彙も,結果的に覚えることもできます(「語彙増強」).

ここで余裕があれば,一文一文区切って音声を再生し,続けて発声する「リピーティング」や,日本語訳文からの「和文英訳」も行います.ただ,リピーティングは負荷が非常に高く疲れるので,ほとんどやりません.また,英文から日本語を書くことはしません.精読の時点で内容は理解できており,理解できていることを日本語でわざわざ紙に書くのは煩わしいからです.和文英訳も,日本語は英語表現を思い出す「手がかり」として使うだけであり,日本語を英語に翻訳する,という意図はありません.


なお,声を出す作業をカフェなど他人のいる場所で行う場合は,モゴモゴと口の中で呟く程度に留めておきます.


メインタスクで重要な点をもう一つ.リーディング用,リスニング用,などと作業ごとに教材を分けないことです.もちろん時間に余裕があればそれぞれの作業に適した教材で行ってもいいのですが,それぞれに対して「複数回の繰り返し」を行うことになるので,私が割いている程度の学習時間(1日1時間弱)だと,残念ながら手が回らなくなってしまうのです.それよりも,一つの良教材を使い倒すことを心がけています.


さて,メインタスクの説明はここまでです.次はサブタスクについて説明します.

3. サブタスク
3-1. サブタスクの目的

サブタスクは,「英語を楽しむ」ことを目的とします.


サブタスクそのものが,私が英語を学ぶ目的である,と言ってもいいのかも知れません.


また,メインタスクのモチベーションの維持にも役立ちます.洋書を読んでいて,メインタスクで覚えた単語や表現が出てきて,以前よりも楽に読み進められるようになっているのを実感すると,メインタスクに対するモチベーションが上がります.

3-2. サブタスクを行う時間と場所

サブタスクは,時間も場所も決めません.ふとした隙間時間でも,自宅で寛いでいるときでも,いつでもOKです.教材にアクセスさえできれば場所も問いません.やりたいときにやり,止めたくなったらすぐに止めます.

3-3. サブタスクに利用する教材

こちらはメインタスクの教材とは違って,何を選んでもOKです.ちょっと背伸びして難しい洋書を読んでもいいですし,ネットで読む英文ニュースも充分に「教材」になります.


興味が持てるかどうかが重要ですが,興味をもてなかったらさっさと次の教材に移ればいいので,「教材選び」に時間はかけません.従って,WEB上の無料のコンテンツや,比較的安価なペーパーバックなどが主となります.最近はレンタルDVDで海外ドラマを見たりしてます.

3-4. サブタスクの実行


サブタスクで行う作業に学習法っぽい名前を付けるとしたら,「多聴」「多読」となります.

読んだり聞いたりしている間,辞書を引くことはあまりしません.ただ,引きたければ引きますし,その辺はあまりこだわりません.


また,きちんと理解したいな,と思う部分については,メインタスクのように,精読や音読・シャドウィングを行う場合もあります.

4. 私の英語学習法に足りないもの

ここまでで気づいた人もいるかと思いますが,私の学習法には,「スピーキング」「ライティング」の練習が,入ってません.


現在の私がスピーキングをする機会といえば,ごくたまに仕事で海外に行ったり,逆に海外の人が来日してきた際に,話す程度です.また,ライティングについても,やはり仕事で,論文や技術資料やeメールを時折書く程度です.


それで不自由しているかしていないかと言えばそれはしているのですが,効率よく学習する方法を,なかなか見出せずにいます.たとえばレアジョブLang-8といったWEB上のサービスを活用して学習する方法もあると思いますが,前者は,お金がかかることもあり,まだ実践していません.後者は少し実践したものの,続けられずにいます.また,英会話カフェなんかも一度利用してみようかな,などと個人的には思っています.


ともあれ,「スピーキング」「ライティング」が必要な人は,当然ながらその学習を行うべきです.

5. 終わりに

最初にも書きましたが,これはあくまで「私の」学習方法で,この通りやったからと言って英語ができるようになるという保証はありません.


そもそも私自身,「英語ができる」などとはまだまだ言えない,単なる一学習者です.よってこの先,この学習法をまた変更していくことになると思います.実際,ここに書いていないことも日々試しています.


別の学習法が自分なりに確立したと思えたら,またそれについて書こうと思います.