スマートフォンのチェックはほどほどに

土曜の夜,友人たちとの待ち望んだ夕食の席でのことだ.おしゃべりの途中,私は自分の右手が体からコソコソと離れて行き,テーブルに置いてあった携帯を掴んで,メールをチェックしているのに気がついた.


「私は一体何をしているのか?」


そう思った.


「土曜の夜,友だちと一緒にいて,メールをチェックする必要なんてないのに」


恐ろしいのは,私は意識して携帯に手を伸ばしたのではないということだ.まるで手が自分の意志でそうしているかのようだった.自分に一体何が起こっているのか,「パーソナル・アンド・ユビキタス・コンピューティング」に載っていた研究を読むまでわからなかった.私だけではなかった.実際,この問題はユビキタスな(どこでも見られる)ようだ.


著者らは,スマートフォンの利用者は,「チェック中毒」にかかっていると言う.メールやフェースブックなどを繰り返しチェックしてしまうのだ.通常,1回のチェックには30秒もかからないが,10分と経たずにまたチェックしてしまう.


この研究の被験者たちは,平均すると一日34回スマートフォンをチェックしていた.必ずしもそんなに多くチェックする必然性はなく,中毒や衝動がその理由であった.


「これは極めてよく見られ,かつ避けるのが難しい現象です」


カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校の神経科学者,ローレン・フランクは言う.


「チェックしていることを意識しないこともあります.無意識での振る舞いなのです」

Do you obsessively check your smartphone? - CNN.com

かつて携帯電話先進国と呼ばれた日本では「ケータイ依存症」などという言葉が流行りましたが,スマートフォンが普及することで米国でもそんな状況が見られているようです.


対策としては,(1)問題を抱えているという事実を認め,(2)数時間(無理なら10分だけでも)スマートフォンから離れてみる,(3)スマートフォンを持ち込まない場所を決める,という3つが提示されています.


私も,空き時間があるとツイッターをチェックするのが癖になっており,最近,例えば本を読む時間などが目に見えて減っているのを自覚してます.ちょっとばかり自重しようかな,と思います.