「絆をありがとう」菅総理から世界の人々へ感謝のメッセージ

震災から一ヶ月,日本政府が,海外からの支援へ感謝の意を表明する広告を海外主要7紙に掲載したとのこと.


キーワードは「絆(きずな)」 - Japan Real Time - WSJ


全文を載せているページを見つけたので,訳してみます.こういう性格の文章なので,普段より意訳多めとなっております.

絆をありがとう


絆:友情による繋がりのこと


未曾有の規模の震災が日本を襲い,かけがえのない何千もの人々*1の命を奪ってから,一ヶ月が過ぎました.現在も,15万人以上の人々が,避難所での生活を余儀なくされています.


津波によって破壊された地域は,食べ物もなく,水もなく,電気もなく,生き残った人々は,助けを求めることもできませんでした.そんな絶望的な状況の中,世界中の人々が結集して,私たちに希望をもたらし,勇気を与えてくれました.


毛布の一枚一枚,熱いスープの一杯一杯が,すべてを失い,寒さに凍え,疲れきった人々に暖かさと体力をもたらしてくれました.レスキュー隊は,積み重なった瓦礫の中,献身的に生存者を探してくれました.医療チームは,休むことなく,傷ついた人々を治療し続けてくれました.


私たちは,今なお,世界中から,数えきれないほどの励まし,祈り,支援を受け取っています.私たちは,世界中の友人が示してくれた「絆」に深く感謝します.そして,私は,すべての国,団体,そしてあなた個人に,心からお礼を言いたいと思います.


再建は既に始まっています.私たちは今,福島第一原子力発電所の状況を安定させるためにあらゆる努力を費やしています.


国際社会の支えと,私たちの努力によって,日本は再生し,より強くなって戻ってきます.そのときには,あなたがたの惜しみない援助に,きっとお返しをさせてもらいます.


そのことを胸に刻みつつ,今,私たちは国家再建に向けて一つになっています.


やがて希望へと成長する,あなた方への深い感謝の念を持って,私たち日本国民は,すべての方々にお礼を申し上げます.


日本国総理大臣 菅 直人


「困ったときの友こそ真の友」

A letter to Tuoi Tre from Japan PM Naoto Kan - Related news - 4/11/2011 - Báo Tuổi Trẻ English

なかなか良い文章ではないでしょうか,と上から目線で言いますが,文中の「私たち(We)」には私個人も含まれていると思いますので.


原発への言及が一ヶ所ありますが,状況の安定化は当然のこととして,情報公開にも力を注いで欲しいものです.

*1:日本語で「何千」というと1万以下の感覚だが,"thousands of"は1万以上にも使う.