惜しい負けはギャンブラーの意欲を掻き立てる

もう少しで勝てそう,もう少しで勝てそう,という気持ち.

パチンコとかスロットとか,そういうのをうまいこと利用して,客にお金を使わせていそうですね.

ギャンブルの魅力は,疑いなく,勝つチャンスから来る.しかし,もう少しで勝ちそう,と言うのはどれぐらいエキサイティングなのか? 「ニューロン」誌2月12日号の研究では,スロットマシンで3つのうち2つのチェリーが揃うような「惜しい負け」に対するギャンブラーの脳の反応を見ている.ギャンブラーは,完全な負けよりも惜しい負けの方が不快だと言うが,もう少しで勝ち,というのは,賭けを続ける欲求を大きく高めるのである.


15人の被験者が,ギャンブルをする際の脳スキャンを受けた.惜しい負けは脳の腹側線条体と前島部を活性化させた.それらの部位は,脳のランダムな勝ちの際にも活性化された.前島は,薬物渇望やその他の常習行為と関係があるとされている.


興味深いことに,この効果は,ギャンブラーがレバーを操作するときだけ起こった.コンピュータが操作しているときは逆のことが起こるのだ.その場合,惜しい負けは,ギャンブラーがプレイし続ける意欲を著しく減少させた.また,完全な負けは意欲を持続させたのだ.次回,チェリーが3つ揃いそうになって,もう一度トライしようと熱烈に思ったら,これはゴルフのスイングとは違うのだと言うことを思い出そう.スロットマシンのオッズは,練習してもよくならないのだ.

Near Misses Motivate Gamblers: Scientific American Podcast

ventral striatum
腹側線条体

anterior insula
前島