Google社員が辞める理由(三人分)


Google社員が辞める理由


はてブで「訳して」と言う方が多いみたいだったので,勝手に訳しました.

と言っても最初のお二人,StephenさんとBenさんだけです.

後で追加するかもしれませんが.

追記:
三人目,Tedさんを追加しました.

From: Stephen
Date: Wed, 28 May 2008 13:25:07 -0700 (PDT)
Local: Wed, May 28 2008 2:25 pm
Subject: Re: So… Why’d you left, guys? I mean, seriously.


実のところ,この「送信」ボタンを,それと意図する前に押してたよ.2005年にMicrosoftをやめてGoogleに来て,10ヶ月後にやめた.やる気をなくしたんだよ.その仕事を引き受けるべきじゃなかったとさえ思う.ずっと幻滅させられ続けたし,そう,君と同じように,自分が結んだ拙い契約に対する後悔が,パフォーマンスに影響を及ぼしたんだ.


僕はこう言っていた.Googleは自分たちの雇用プロセスを賞賛している.あたかも,無慈悲なまでの非効率性と,果てしなく長くかかるプロセスが,「徹底さ」を証明しているかのように.たぶんそうなんだろう.でも僕は,Microsoftの雇用プロセスが,Googleの何分の一かの時間しか使わないんだけど,よりスキルの低い社員しか雇えないとか,人が早く辞めていくということにはつながらないと思う.それと,これは言わせてほしい.ラリー・ペイジがもしレジュメにまだ目を通しているのなら,株主は反乱を起こすべきだよ.それは彼のようなレベルの人間にとってはとんでもない時間の無駄だし,「風変わりだ」という事実は,何の慰めにもならない.


僕は,君と同じように,Googleで職を得るにあたってかなりの収入減を提示された.引越しのための手当ては貧弱だった.給付金もだ.(Microsoftは自家保険制度を採っているから,医療費の自己負担は無かった)


カークランドでのある金曜日,従業員の一人がエリック・シュミットに,「Microsoftの給付金制度のほうが充実している」と知らせた.彼は心から驚いたと言ったが,それにはこっちが心から驚いたよ.シュミットは皆のいる前で,それと同等の給付金を支給すると約束した.彼はHRに相談し,HRは彼に,Googleがそれをやるには年間2200万ドルが必要だと言った.そして彼は約束を反故にして,飽き飽きした馴染みのお気に入りのフレーズに頼った(「Googleでは,人々はお金のために働くのではない.世界を変えたいから働いているのだ!」).そのメッセージはいつも,「億万長者出身のちょっとしたルイ14世」みたいに,僕には思えるんだよ.


そういう道徳的な態度を,身震いせずに思い出すことなんてできないよ.


From: Ben
Date: Wed, 28 May 2008 14:43:09 -0700
Local: Wed, May 28 2008 3:43 pm
Subject: Re: So… Why’d you left, guys? I mean, seriously.


Stephen wrote:
> 彼はHRに相談し,HRは彼に,Googleがそれをやるには年間2200万ドルが必要だと言った.
> そして彼は約束を反故にして,飽き飽きしたお馴染みの,お気に入りに頼った
> (「Googleでは,人々はお金のために働くのではない.世界を変えたいから働いているのだ!」).
> そのメッセージはいつも,「億万長者出身のちょっとしたルイ14世」みたいに,僕には思えるんだよ.


俺もGoogleで似たようなイライラに出くわした.ミニ・キッチンがどんどん削減されていったんだ.聞いたところによると,理由の一つはコストだとか.何人かが「1日何千ドル」と言っていたなってのを覚えている.それがどうも気に入らなかった.


つまりさ,利益額を見てみろよ.俺が辞めた2006年のGoogleの正味の収入は,30億ドルだ.1年で2200万ドルだって? 彼らの *利益* の1%にも満たないじゃないか.「1日何千ドル」?もしそれが1万ドルだったとしても,明らかに1%よりも下だ.


利益を2%使って,従業員をもっと幸せにする……そうさ,俺は自分の選択を分かっている.いくつかの点で,Googleはどんどんけち臭くなっているみたいだ.どうも不審な状況に思えるよ.


(もっとも,Googleの信用のために言っておくと,かれらは食事に関する俺の問題を解決するような新しいカフェをオープンしたよ……俺が辞めた後でな.溜息)


Ben


From: Ted
Date: Wed, 28 May 2008 17:39:06 -0700 (PDT)
Local: Wed, May 28 2008 6:39 pm
Subject: Re: So… Why’d you left, guys? I mean, seriously.


俺にも覚えがある.(俺もカークランドだったんだよ.)

Googleは俺が今までに働いたどんな会社よりも雇用手続きに時間をかけた(レジュメを送ってから仕事が始まるまでだいたい5ヶ月ぐらい.)


面接はすごい混乱してた.どういうわけか,俺はWindows開発者として予定されてたんだが,面接官はみんな,それがなぜなのか不思議がってた.最初のコーディングでかなりのヘマをやらかしたんだが,その後で,誰も俺と同じようなレベルの知識を持っている人は面接官の中にはいなかったことがわかった.それで,それがわかってから,カークランド・オフィスのヘッドによる追加面接があって,彼は理に適った,妥当な質問をしてきたよ.


これまでの投稿者とは違って,俺は給料には満足していた.それから(なぜかはちょっと言えないんだけど)自分で個人医療保険に入ってたし…


Googleが一人の面接官から次の面接官に情報を伝えないことを自慢しているっぽいことにも驚いた.Microsoftでは,もし誰かが間違った職務の候補者になってたら,それは例えばもっと適切な面接官を見つけるいい機会だ.ともかく,俺が経験した面接と雇用手続きは,特別なんだと思ってたよ.

Google社員が辞める理由


なお,急いで訳しましたし,またいつも訳しているニュース記事とは文体が違いますので,間違い等あるかと思いますが*1,ご容赦ください.



追記:
Googleが雇用プロセスに長い時間をかけているのは有名ですが,その非効率さに不満を持つ社員もいる.……ということをそのプロセスで明らかにできなかったとすると長い時間をかけた意味とは何だったのかという話になる,というのがつまり非効率なわけで,トートロジーっぽいですね.

*1:いつもは間違いがないのか,と言うと決してそんなことはないのですが