アメリカ人はクリスマスに何をしているのか?

日本では,パーティーをしたり,恋人と過ごしたり,声優を見張ったりするみたいですが,アメリカ人は一体どのようにクリスマスを過ごすのでしょうか?


私のイメージで言うと,新年1月1日か2日ぐらいまでは休暇を取り,家族と過ごすのが一般的で,都会に住む若者はクリスマスパーティーやカウントダウン・パーティーでもするのかなあ,と思っていました.


下の USA TODAY の記事によると,住んでいる地域による特色が大きいそうです.

パーティに行きたい? ボストン*1の都市がいいでしょう。プレゼントを早く開けたい? セントルイス*2がお勧めです。特に気にせず過ごしたい? 南部へ行くと良いのでは。本当に何もしたくないなら、ぜひ西部へ。


ピッツバーグにあるシビックサイエンス社は,クリスマスの伝統に関する全米9万人のアンケート結果を解析しました。それによると,人々の住んでいる地域で大きな差異が出るそうです.

What are you doing Christmas Day? Depends where you are

以下,抄訳.

アメリカ中西部:バランスの取れた過ごし方

クリスマスを楽しむが,休暇は取らない.35%の人が,クリスマス及び年末年始のほとんどを仕事に費やす予定で,これは群を抜いて大きい数字だ.なお,クリスマスパーティーを実施する会社に勤めている人数は最も少ないので,職場でパーティをするというわけではない.しかし46%の人が,10人以上のパーティーに参加する.クリスマスイブにプレゼントを開けてしまう人が,平均より25%も多い.


アメリカ北東部:パーティー好き

最も社交好きで,39%が友人宅あるいは自宅でのクリスマスディナーに参加する.クリスマスイブのパーティーに行く割合も最も多い.実のところ,クリスマスに限らず年間を通して,南部や西部の人に比べて4割も多くのパーティーを楽しんでいる.どうしてそんな余裕があるのか? 彼らは効率的なのだ.34%の人々は,プレゼントを10日も前に買っておく.


アメリカ南部:気楽に過ごす

クリスマスだからと言って特別に力を入れるということはない.参加者10名以下のクリスマスディナーを主催する割合が最も多い.クリスマスに100マイル以上の移動をする場合にも,自家用車を利用する割合が平均より30%多い.クリスマスに働く人は最も少ないが,職場のクリスマスパーティーには64%の人が参加する.ただし,プレゼントを10日前に買う人は29%しかおらず,最終的にのんびりしているツケが回る.


アメリカ西部:伝統にとらわれない

100マイル以上の移動をする人,レストランやクラブでクリスマスディナーを取る人の割合が,平均より2倍以上多い.最も少人数(4人以下)の昼間のクリスマスの集まりに参加する.また22%の人は何の集まりにも参加しない.その代わりに何をするのだろう? 38%が,映画を見るそうだ.


ちなみに私は西部カリフォルニア州に住んでいますが,先週は20人以下ぐらいの食事会に何度か参加しました.ただしプレゼント交換とかそういうのは無しでした.


なおクリスマスイブとクリスマスは,ほぼ自宅で過ごす予定でおります.

Natureが日本のダメ科学報道に物申す

Bad press : Nature News & Comment

日本だけに限らない,と述べられてはいますが,読売と日経は(森口氏の記事誤報について)名指しで批判されてますね.

具体的な防止策として,以下が挙げられています.


研究者の論文をあたる
・その研究者が過去の業績を論文として出してなければ,それ自体が危険信号.
・研究者の所属が書かれているので問い合わせる.簡単なeメールを一本,ハーバード大学に入れておけば,読売新聞は今回みたいな恥をかかずに済んだはず.
・共同研究者,資金提供者にも問い合わせる.
・利害の対立について書かれていれば,研究にかかるバイアスが推測できる.


他の研究者の意見を聞く
・共同研究者以外の(第三者の)研究者に,その研究の重要性,実現可能性について問い合わせるべき.
・その研究に価値がなければ,そう教えてくれる.北米やヨーロッパでは価値のない研究を除外する傾向がより強い.
・そういった研究者は,論文の参考文献から探せる.
・それがダメならネット検索でもいいが,適切な参考文献が示されていないならそれ自体危険信号.


また,今回の森口氏の研究に関しては,「論文未発表である」と主張されたようですが,なぜ論文を発表する前にメディアに内容を紹介するのか,その理由について疑問を持つべきだった,としています.その他にも彼の話にはおかしな点が幾つもあり,疑わしいことに気づけたはず,とのこと.


さて上記はごくごく当たり前のことのような気がするのですが,その一方でこんな記事が目につきました.


【若手記者が行く】科学取材…専門用語飛び交い理解不能の世界、頭が真っ白に(1/4ページ) - MSN産経west


論文にあたる,なんてことはまったくの考慮外みたいですね…….

なぜ,苦しんで勉強した方が身につくのか?

苦しめば苦しむほどスキルや知識はよく身につくという研究結果 : ライフハッカー[日本版]」が参照している,TIMEの記事です.

苦しいほうが良いのはなぜ?
「学習パラドックス」とでも呼んでおこう.何か新しい知識をマスターしようとして,苦しんだり失敗したりすればするほど,後々それをうまく思い出して,使うことが可能になるのである.


学習パラドックスは,「生産的な失敗」の肝であり,シンガポール国立教育研究所,学習科学研究所の研究員である Manu Kapur によって確認された現象である.Kapur は次のように指摘する.多くの教師やワーカーが,人に新しい知識を教える際に採用しているやり方,すなわち,問題の枠組みとガイダンスを,問題が自分で解決できるようになるまでの早い段階に多く与えるというやり方は,直感的には理に適っているが,学習を促進する最善の方法ではない可能性がある,というのだ.


それよりも,初学者に対しては,初めは自分自身で問題に取り組ませ,何の助言も与えないほうが良い.今年初めに学習科学ジャーナルに掲載された論文の中で,Kapur と共著者 Katerine Bielaczyc は,生産的な失敗の原理を,シンガポールの3つの学校で,数学の問題を解く実験に適用している.


ある学生グループに対しては,教師は強固な「枠組み」(指導とフィードバック)を与える.その教師の助けによって,このグループの学生は解答を導き出すことができた.


一方,別のグループの学生は,同じ問題を,何の指導もされず,自分たちだけで協力して解くことが求められる.こちらのグループの学生は,完全に問題を解くことはできなかった.しかし解答を得ようとする過程で,問題の基本的な性質や,解答が得られるとしたらどのようなものか,について多くのアイディアを出した.


そして,2つのグループに学習したことについてのテストを与えたところ,後者のグループの方が,前者のグループを結果で「大幅に上回った.」


この後者のグループの見かけの苦しさは,Kapur が「隠し効果」と呼ぶものを含んでいる.この苦しさにより,人は単に正解を出すのではなく,問題の深層構造を理解することができようになるのである.苦しんだ学生は,テストにおいて同種の新たな問題に遭遇した際に,他人の見解を受動的に与えられた学生よりも効果的に,獲得した知識を活用することができるのだ.


実社会では,綺麗にパッケージ化された問題は稀であるため,問題の深層構造を見分けられるかどうかが鍵になる.しかし,と Kapur は言う.誰でも失敗するのは嫌だ.いかにシリコンバレーの起業家が,失敗したアイディアや破産したスタートアップ企業の有益な効果を賞賛したとても.


したがって,Kapur が言うには,「生産的な失敗」を学習の過程に組み入れることが必要である.Kapur は,この種の有益な苦しみを促進する3つの条件を定めている.


1つ目は,「困難だが,失望感を抱かせない」ような問題を選ぶこと.2つ目は,取り組んでいる問題について,学習者に詳細に説明させるようにすること.3つ目は,学習者に対して,良い解答と悪い解答を比較,対比させる機会を与えることである.


それから,このような愛の鞭スタイルを不満に思う人に一言.後々感謝することになると思うよ.

Anne Murphy Paul: Why Floundering Makes Learning Better | TIME Ideas | TIME.com

「困難だが,失望感を抱かせない」(challenge but not frustrate)ような問題って,どんなんでしょうね.


一語学学習者としての感想を述べると,当たり前のようなそうでないような,というところですが,ともあれ「学習科学(learning science)」の成果は今後もどんどん出てきて欲しいです.

やっぱり環境は大事,とアップル

環境問題よりもデザインを優先するアップル - 英語で話す俺の続報です.

サンフランシスコ当局がアップル製品はもう購入しないと述べてから数日後の金曜日,アップルは,環境認証プログラムに再び参加し,そのレーティングで購入を決めている政府各機関がアップル製品を購入できるようにする,と宣言した.

Apple back on board with green group - SFGate

アップルは,先の決定は「間違い(mistake)」だったと素直に認めているようです.迷走しているような気もしますが……

環境問題よりもデザインを優先するアップル

一般消費者向け電子機器メーカーの間で環境保全に対する取り組みのリーダー的存在として知られてきたアップルが,有名な「グリーン」製品登録から退くことになり,ブログ界で騒動を巻き起こしているばかりか,売上にも若干影響するかもしれない.

Apple's withdrawal from 'green' certification program surprises purchasers | Business News

時代に逆行するようなお話ではありますが,さて.

アップルの決定は,おそらく新しい MacBook Pro のデザインと関係している.バッテリーはケースに接着処理され,リサイクルのために取り外すことができない.これは,多くの製造業およびアメリ環境保全局の支援する非営利の製品格付け組織 EPEAT のグリーン認証のスタンダードに反している.

「少し話をしましたが,アップルは,彼らのデザインの方向性は EPEAT のスタンダードとは相容れない,と言っていました」

EPEAT の CEO,ロバート・フリスビーは月曜日のインタビューで語った.

「ちょっと妙な話です.彼らは,そのスタンダードを決める手伝いを,これまでずっとしてきたのですから」

売上に若干影響する,というのは,たとえばサンフランシスコ市のように,EPEAT の承認を受けた製品でないと使わないようなルールを持つお客がいるため,とのことです.

しかしながら,一般のお客が,果たしてこのグリーン認証を気にして製品を買うのか,というと,疑問符が付きますね.

兄妹のために毎日働いていた女子高生が,学校を無断欠席した罪で監獄行きに

ウェブサイトを通じて学生のために募金を行ったそうですが,当の本人は受け取りを拒否した,というのは本題ではなく.


学校に行かない子どもを監獄送りにするテキサス州ぱねえっす.

テキサスに住む17歳の優等生が,あまりにも学校を多く欠席したために監獄に入れられた.欠席の理由は,彼女の兄妹をサポートするために仕事を2つこなす必要があったためだ.そして彼女は,あるウェブサイトが彼女のために集めた10万ドル(約800万円)以上のお金を受け取る事を拒否した.


「彼女は,仕事と学校を全てこなそうとしていて,判事に監獄行きを命じられました.ちょっとひどすぎると思います」


と,ダイアン・トランのためにお金を集めたポール・ディツェルは言う.HelpDianeTran.com は,ルイジアナ児童教育同盟のプロジェクトだ.だが,トランはそのお金を受け取らなかった.


「もっと他に苦労している子供たちはいます.私よりも」


この高校2年生のストーリーは,先週,ヒューストンの判事が不服従罪で彼女を起訴し,半年に10回の無断欠席をしたことで監獄行きを命じた後(これはテキサス州の法律によるものだが),国中の怒りを巻き起こした.


「もし誰か一人に対して規律を緩めたら,他の人々はどう振る舞うと思いますか?」


ラニー・モリアーティ判事はABCニュース系列のKHOUに対して語った.


「少しの間だけ監獄に入ることは,死刑判決ではありません」


トランの両親が離婚した後,兄と妹のサポートは彼女の両肩にかかってきた.トランの週末の仕事の上司によると,母親は州外に引越し,父親は遅くまで仕事をしてしばしば家に帰れなかった.


午前7時から午後2時まで学校に行った後,トランはクリーニング店でフルタイムの仕事をし,週末はエリオットの結婚式の仕事を手伝った.トランは,ベッドから起きるのが辛い朝も時々あった,と言う.


エリオットは言う.


「もし子どもが学校の外で,うろうろして,つまり悪い子ですけど,トラブルに巻き込まれたりドラッグに手を出したり.そういう子どもたちを24時間牢屋に入れるというのならまだ理解できるんです.でも,ダイアンはそんなことはしていません.彼女がしていたのは,仕事と学校,それだけなんです.」


トランの弁護士ブライアン・ワイスは,モリアーティ判事と面会し,判決を覆して不服従罪を取り下げ,トランに前科を付けないよう説得した,とABCニュースに対して語った.

Community Comes to Aid of Jailed Texas Honor Student - Yahoo!

Googleの社員旅行

Googleで働いている私の友人(アメリカ人)が「社員旅行に行ってきた」と言ってました.いや,英語ですし「社員旅行」とは言ってませんでしたが,「会社のお金で」チームの同僚たちとラスベガスに一泊してきたそうです.

社員旅行なんて日本企業のお家芸みたいに思っていましたが,Googleのような会社にもそういった風習があるとは知りませんでした.

最初は,単に上司に奢ってもらっただけかな? と思ったのですが,聞いてみるとそうではなくて,結構上の方で,そういう行事を実施する意思決定がされるそうです.(上司の上司の上司の……ぐらいのレベル,とのこと)

ただし,たとえば「社員旅行の意味がわからない。上司に気を使うだけ使って休む時間がない 働くモノニュース : 人生VIP職人ブログwww」に書いてあるようなものとは,ちょっと(いや,だいぶ?)違うみたいです.

たとえば,旅行は土日や祝日ではなく平日.また,旅行に行きたくなければ当然行かなくて良い.実際,彼の直属の上司は参加せずに,普段通りオフィスで仕事をしていたそうです.

ちなみに,「行きたくなくて断ったら,その分をお金で貰えたりしないの?」と聞いてみました.Googleならそれぐらい許しそうな気もしましたが,それはないとのこと(行かないなら働かないといけない,と言ってました).diversityを考慮してない気がして,ちょっと意外でした.