ガザの善と悪

マーケットの馬車馬さんが紹介していた記事ですが,

以下更に続くが、訳は控える。結局はアメリカの仲介が不可欠であること、ファタハアッバス大統領はパレスチナ国家樹立のためにイスラエルとの対話を続けているが、パレスチナ自体が分裂しており、しかもハマスイスラエルを国家として認めてもいないことなどを挙げ、楽観悲観を織り交ぜて文章を締めている。

マーケットの馬車馬: 今週のThe Economist: ガザ:正当なこと、そうでないこと


という部分,つまり最後の2パラグラフを訳してみました.

But a ceasefire needs a mediator. Mr Obama is not yet president, and George Bush has so far hung back, just as he did in 2006 while waiting for an Israeli knockout blow that did not come. This time, he and everyone else with influence should pile in at once. To bring Hamas on board, a ceasefire would need to include an end to Israel's blockade, but that would be a good thing in itself, relieving the suffering in Gaza and removing one of the reasons Hamas gives for fighting.


After that, Mr Obama will have to gather up what is left of diplomacy in the Middle East. It is not all hopeless. Until this week, Mahmoud Abbas, the Palestinian president, was talking to Israel about how to create a Palestinian state in the West Bank and Gaza. But Mr Abbas presides over the West Bank only, and little progress is possible so long as half of Palestine's people support an organisation that can still not bring itself to renounce armed struggle or recognise Israel's right to exist. Since Hamas is not going to disappear, some way must be found to change its mind. Bombs alone will never do that.


しかし,停戦には調停者が必要である.オバマ氏はまだ大統領ではなく,またジョージ・ブッシュは今のところ,ちょうど2006年に結局は訪れなかったイスラエルによる決定打を待っていたように,尻込みをしている.今回,彼あるいはその他の影響力を持つ者は,すぐに結集すべきだ.ハマスを議論に引き入れるには,停戦条件にイスラエルによる封鎖の取り止めを含むことが必要だろう.ただ,それ自体は良いことである.ガザでの苦悩を和らげることになるし,ハマスが戦う理由としているもののひとつを取り除くことにもなるからだ.


次いで,オバマ氏は中東外交が残したものをかき集めなければならなくなる.完全に希望が絶たれているわけではない.今週まで,パレスチナ大統領マフムード・アッバスは,ヨルダン川西岸地区およびガザ地区パレスチナ国家を作ることに関して,イスラエルに話をしていた.しかし,アッバス氏が統轄しているのは西岸地区のみであり,半数のパレスチナ人が,いまだ武力闘争を放棄せず,さもなければイスラエルが(国家として)存在する権利を認めないという組織を支持している限り,大きな進展は望めないだろう.ハマスが消え去ることはないのだから,その意見を変える何らかの方法を見つけなければならない.それは爆弾だけでは不可能だ.

Gaza the rights and wrongs | The Economist


またコメント欄とはてなブックマークで知ったのですが,JBPressが全文訳を載せていました.

イスラエルのガザ攻撃:事の真偽  JBpress(日本ビジネスプレス)


少なくとも単に虐殺を楽しんでいるのでないのなら,このような行為を行う何らかの理由がイスラエル側にはあるはずで,ということは『情緒的な議論』はそれはそれとして置いておいて,現実的な解決策を探れない理由はないと思うのですが,
『「現実的で人道的で平和的な解決策」を立案できる人間は一人もいない』と言われてしまうと,どうにもやるせないです.

また,コメント欄にある『宗教的衝動』,それが国家としての動きのどの程度を占めているのか,というところがやはりどうにも理解しづらいです.