多読を始める一つの方法
まとめ
子供向けの物語や語彙制限本はつまらなくて読む気がしないが,興味を持てるレベルの本を読みこなすには英語力が足りない,という人には,「昔読んだ童話の原著を読んでみる」ことをお勧めします.
詳細
前回,多読を始めた話を書きましたが,その前に一冊,ある本を読んでいたことを思い出しました.
その本は,児童文学の不朽の名作,「オズの魔法使い」です.
The Wonderful Wizard of Oz (Signet Classics)
- 作者: L. Frank Baum,Regina Barreca
- 出版社/メーカー: Signet
- 発売日: 2006/10/01
- メディア: マスマーケット
- 購入: 1人 クリック: 14回
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こんな子供向けの本を今更読んだのには,ちょっと理由があります.
ある日立ち寄ったおもちゃ屋さんで,オズの魔法使いの仕掛け絵本を見かけました.
The Wonderful Wizard Of Oz (The Childhood of Famous Americans Series)
- 作者: L. Frank Baum,Robert Sabuda
- 出版社/メーカー: Little Simon
- 発売日: 2000/10/01
- メディア: ハードカバー
- 購入: 3人 クリック: 55回
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手に取って見ると,これが誇張じゃなくものすごく出来が良くて,本気で感動しました.ページを繰りながら,幼い頃に夢中で読んだ「オズ」のことを,とても懐かしく思い出しました.
(Amazonのレビューも軒並み高評価ですね.日本のテレビでも紹介された,とか書いてあります.)
その絵本は購入しませんでしたが,数日後,書店でペーパーバックが置いてあるのを見かけ,懐かしさのあまりそちらをついつい買ってしまったのです.
それから,暇な時間に読み進めていきました.これを大人になってから初めて読んだのだとしたら,ちょっと子供っぽすぎて,楽しく読むことはできなかったかも知れません.でも,遠い記憶と照らし合わせながら辿るストーリーは,単に本を読むのとは異なるノスタルジックな愉しみを与えてくれるようで,気がつくとあっという間に読み終えていました.
以前,dankogai氏が,訳本を読んでから原著を読むことを勧めていました.
404 Blog Not Found:訳すな、訳してもらってから読め
ただ,敷居が高い原著は日本語訳を読んだ後でもやはり敷居が高いものですし,同じ内容の本を短期間で二度読むというのは(よっぽどお気に入りの内容でない限りは),気が進まない場合もあるかと思います.
そんなわけで,最初に述べた通り,自分が昔読んだ童話を英語で読み返してみることは,多読への取っ掛かりとして非常に有効な手段になるのではないか,と思った次第です.
補足
ちなみに「オズの魔法使い」は子供向けの物語ではありますが,使われている単語が全て簡単かと言うと,そんなことはありません.
試しに,第1章,第2章あたりから,ちょっと難易度の高い(ような気がする)単語を幾つかピックアップしてみましょう.
gaunt
blister
wee
sward
plait
shod
ぱっと意味が分かりますか? 私には分かりませんでした.
なお,オズの魔法使いは版権が切れており,The Project Gutenbergでタダで読めます.本を買うのが面倒ならば,こちらで済ませるのも手ですね.