英語を頭から読む方法
頭から読むとは、外国語を一字一句日本語に置き換えながら逐語的に読み上げるメソッド。
訳すな、頭から読め - 鰤端末鉄野菜 Brittys Wake
一語一語日本語に置き換える,というのはどうもしっくりこなかったので,記事にあるような簡単な文を読む場合に私の頭の中はどうなっているか,というのを追ってみました.
結論から言うと,文字通り一語一語日本語に置き換えるということは,やってません.
ただ,それに近いことをしているのは確かで,より正確に言うと塊(チャンク)で理解していっています.Brittyさんの記事にある「適度にまとめる」が,日本語置き換えよりも先に来るイメージです.
また,必要ならば日本語も使うのですが,このレベルの文だと,大部分は日本語の訳語を思い浮かべないまま意味を理解しています.
たとえば一文目の
Christmas is the Christian holiday that...
は,
クリスマスは・存在する・その・キリスト教徒の・祭日・それ
とやるのではなく,そこまでで「まとめてひとつ」という感じでその意味を理解しています.
ちょっと細かく見てみます.
この文に出てくる"Christian" という言葉が「キリスト教徒の」という形容詞だということは,その一語だけではわかりません(名詞かもしれない).
これはBrittyさんも,
「この単語はここではこの意味に違いない」ということに過度にこだわってはいけません。
と書かれています.
それで, "Christmas is the Christian..." までだとなんだか意味が通らなくて,頭の中でもやもやとしているのですが,"holiday" が出てきた時点で「クリスマスはクリスチャンのホリデイだ」という意味の理解に変わり,さらに "that" が出てきて,あー別のことを言うな,ということはここまででヒトカタマリだな,という確信に変わるのです.
ここで,「キリスト教徒」とか「祭日」とかいう日本語は私の頭の中には出てきません.それはなぜかというと,Christian,holidayは私が比較的使い慣れている単語なので,置き換える必要性を感じないからです.
もちろん,自分がよくわかっていない単語で,日本語で理解した方がしっくり来る場合は置き換えてしまっていると思います.
また,「"the"がついているからこのholidayというのはある限定された"その"日のことで……」というような理解は,読みながら頭の中にはあるのですが,この時点でうまく訳すことはできません.と言うか,瞬時にニュアンスを訳すのはどうにも不可能に思えます.
さて,上記のような過程は,頭の中で考えながらやっているわけではなくて,ほぼ無意識にできてます.
なぜ無意識で出来るのか?
それは,
A(名詞) is B(名詞)
という非常に簡単な「チャンク」を今までに数多く読んだり聞いたりしていて,それに慣れているからです.AとBをいろいろな語に置き換えても,A=Bというのは(大体)いつでも同じなので.
こういった応用可能なチャンクをどんどん増やしていくと,英語を読むのも早くなりますし,リスニングも上達します.*1
さてチャンクを増やすにはどうすればよいか? と言うと,やはりBrittyさんの仰る通り,「たくさん読む」のが良いと思います.もちろん,読む際には「声に出す」も非常に有効です.
ただ重要なのは,ひとつの題材を一度や二度読んで止めてしまうのではなくて,そこに書いてあることの背景知識や概念を出来る限り正確に理解した上で*2,繰り返し繰り返し読むことです.できれば,音とセットになっている題材が良いと思います.それを読んで聞いて真似て喋る.「これは自分が書いた言葉である」と勘違いできるぐらいに読み込めれば,理想的です.